伏兵現る!?
先日第二世代が発表されたSHIMANO GRX。2019年のデビューからはや4年ほど、グラベル&アドベンチャー系のコンポーネントとしての地位を確立したことは皆様もご存知の通りかと思います。
そんな中昨年9月にMicroshiftよりグラベル向けコンポーネントが発表されました。その名も”Sword“。男の子の血を激らせ冒険心を刺激する良いネーミングじゃないですか。冒険に出るならひのきのぼうより勇者の剣でしょう。ブレーキ、シフト共にワイヤー引きの機械式、変速段数は1x10s or 2x10sの二段構え。GRXはエントリーの400系でも油圧ブレーキですから、機械式のキャリパーを使いたい方やリムブレーキ党の方にもおすすめです!
さて、今回はSurlyのPreambleにアッセンブルのご依頼を頂いたので諸々チェックしながらSwordの実力を掘り下げていきます!
純正のドロップハンドル完成車とほぼほぼ同じスペックで組まれた黒Preamble。
今回の載せ替えに至った経緯として
・フロントバッグの取り付けにMicroshift R400の触角シフトケーブルが邪魔になりそう
・林道も走りたいのでよりワイドなギア比とオフロードに強いドライブトレインにしたい
といったご要望から一部パーツをSwordに載せ替えが決まりました。
触角ルーティングは変速も軽くて個人的には好みなんですけどね!
レバー編
Swordの特徴として、Microshiftとして初のインターナルルーティーンを採用したこと。要するに触角が無くなりスッキリした見た目になりましたと。今回の載せ替えの決め手となった大きな要因でもあります。
またレバーのピボット部分が上方にオフセットしており、ブラケットポジションからでも軽い力でブレーキ操作が可能です。ブレーキレバー自体も梨地のようなちょっとザラザラした表面加工がされており滑りにくそうです。
シフトアップ&ダウンがそれぞれ独立しているシフトレバーにも滑り止めが施されオフロードでも確実な操作が期待できそうです。
BEFORE AFTER
レバーで最も重要な性能と言えるのが握り心地。レバー単体で見るとちょっと大きいかな?と思いましたがハンドルに取り付けてみるとなかなかのフィット感。リーチアジャスト機能も搭載済みで手の小さい方でも安心です。
いくらシフトフィールが良くても握りづらいレバーだと台無しになりますからね。Swordのシフトフィールは良い意味でMicroshiftらしさがありませんでした。Shimanoの上位グレードと比べると流石に可哀想ですがなかなか良いタッチで好印象です!
フードをめくるとリーチ調整ボルトが顔を出します
リアディレイラー編
先にリリースされていた同社のADVENT X シリーズから進化を遂げたSwordのRD。
何よりまず見た目がいいですよね。ADVENT Xでは親指がへし折れそうなほど硬かったクラッチのレバーがダイヤル式へと変更されており、レバー式のように折れたり曲がったりするリスクが少ないのも魅力です。
10速で11-48tというかなりワイドなギア比が用意されるSwordはどんな地形も怖くありません。もフロントダブル仕様も用意され、こちらはフロント48-31t or 46-29tのチェーンリングにリア11-38tの組み合わせが選べます。
続いてPreamble Drop完成車にも付属するMicroshift Marvoと比べてみましょう。オフロードでチェーンを預けるなら迷わずSwordを選びたくなるはずです。ケージのバネの強さも圧倒的にSwordの方が強かったです。ライド中ずっと路面状況の良いフラットな道だけを走れる方は一握りかと思いますので、街乗りにおいてもアドバンテージはありそうです。
まとめ
機械式専用のグラベルコンポというニッチな市場を狙ってきたSword。
CLAMPでも人気のKONA ROVEなど、シフト、ブレーキ共に機械式コンポで組まれているモデルはまだまだ現役です。
今回は使用しませんでしたがクランクセットやフロントダブル仕様の変速性能も気になりますね。ロードコンポじゃ荒れた道がちょっと不安かもって方やドライブトレインは価格を抑えてホイールやタイヤにこだわりたい方など、新たな選択肢の一つとして検討していただければと!