スタッフまさみちです。

梅雨も明けて夏本番!OMMで暑い中走った流れそのままにギアを上げよう!と思って水分をとらずに走ったところ、軽い脱水症状になり現在運動を控えております。皆様くれぐれも、頑張り過ぎにはご注意ください。

いや~、終わってしまいましたね、今年のOMM白馬。いや、もちろんそんなことは分かっているのですが、こうして思い出していると、岩岳のふもとで明かりの灯るテントを前に、つまみを口に放り込んでは缶ビールを空にしていく、あの時間が無性に恋しくなるというもの。毎年振り返っては「まだまだ飲み足らなかったな~」なんて思うわけです。

あの川が、俺を呼んでいる。俺の筋肉が、あの川じゃなきゃダメなんだと言っている。んなわけ。

というわけで今日は、初参加だった一昨年・三回目となる今年、二日目に得点一位を取りながらも、初日のミスにより準優勝止まりとなっている僕(チーム 寺尾/新井 aka. Ultimate Romance)の視点から、OMM白馬で勝つためには何が必要なのかを、いくつかの項目に分けて分析していこうと思います。決して多くない僕の経験が、来年の皆様の役に立つことを祈っています。

*目次

1 酒の強さ

2 ギア

3 走力

4 地図読み

5 補給

6 バディとの連携

7 総括

1. 酒の強さ

OMM白馬に欠かせない特徴の一つが「酒」。夜になると、右を向いても左を向いても酒飲み、歩いてぶつかるのは顔を赤らめた酔っ払いと、会場全体が酒に飲まれます。

酒飲み達はこの光をコンパスにトイレを目指します。

この時間を楽しみたい、でも次の日の体調には響かせたくない、会場の誰もがそう思っているはずです(中にはOMMがどれだけ飲めるかの大会だと認識している参加者もいます)。

白馬ブルワリーさんのビール美味しかったな~

まずはキンキンに冷えたビール。今年で言えば、僕の場合はサッポロ黒ラベルのロング缶を2本飲んでから、ハイボール、そしてもう一度ビールに戻り、数種類の肉を食べながら、割ってもらったほぼジンジャーエールのシャンディガフを何杯か、その後まともなシャンディガフを何杯かという感じでした。

次の日に残したくないといっても、雰囲気に飲まれてぐびぐびいってしまうのが酒好きの定め。賢い量でセーブなどできるはずがありません。そうなっても大丈夫なようには、予め鍛えておくしかありません。OMM白馬では、脚や心肺を鍛える以上に「肝臓を普段から鍛えておく」ことが肝心です。

2.ギア

結局OMM白馬 BIKE部門におけるバイクの最適解は何であるのか。オーソドックスなグラベルバイク・タイヤの太いグラベルバイク・フラットバーグラベルバイク・シクロクロスバイク・エンデュランスロードバイク・クロスカントリーマウンテンバイク・ダウンヒルバイク(ドナタカチョウセンシテミテクダサイ)などなど、出場者のバイクジャンルは多岐にわたります。

僕自身、一昨年は29×2.2インチタイヤのCLAMPオリジナルグラベルバイク「CG」、昨年は26インチのちょいoldなMTB(2005 KONA CINDER CONE タイヤ幅1.95インチ)、今年は700x40cタイヤのシクロクロスバイクと、系統の違う三種類のバイクで出場してみました。

昨年はCLAMPスタッフほぼ全員が26インチの苦行。中央僕は不満げな表情。

その中で出た僕なりの結論はズバリ、

「タイヤサイズ27.5インチ以上、タイヤ幅40ミリ以上、エアロポジションの取れるハンドル(ドロップハンドルが好ましい、フラットバーでも中央付近を持ってエアロポジションをとれる場合はフラットバーも可)、バイク重量11kg未満、最小ギア比1未満(前より後ろのギアが大きい)、ビンディングペダル装備」という条件をクリアすることです。

今大会使用バイク。タイヤは最低ラインの40cだと林道の下りが少し心許ないです。

なぜこれらの条件が必須だと考えられるのか、その理由は、条件をクリアしたバイクで出場することできっと分かるはずです。

3.走力

僕たち ”Team Ultimate Romance” は、白馬という土地に対して決して詳しい知識を持たず、等高線からクレバーなコース取りを選択できるわけでもありません。そんな僕らが優勝を目指すために必要なメソッドこそが「速く走る」ということでした。

こんなことを言ってしまっては元も子もありませんが、どれだけ迷って無駄な回り方をしても、速く走ることができれば、タイムロスを回収して、迷わず楽なコースでたどり着いた参加者と同じだけのポイントを回ることができます。要は「速く走ること」は「迷わず楽に回ること」と同じか、それよりも大きな意味を持つことなのです。

もっとも、今大会の1日目のように、タイム‐ポイント レシオ(取得したポイントを、獲得に要した時間で割った指標のこと。今僕が考えた概念です。)を考えると踏み入ってはいけない山のCPを、深く地図読みもせず高得点に釣られて命からがら取りに行き、半分迷いながらも生きて帰ってこれたのは奇跡という他ありません。

これはそこそこキツかったけど入るのOKだった山。きれいですね。NGの山はこれとは比べ物になりませんでした。

賢く体力と相談してポイントを稼ぐことを最初から諦め、体力ゴリ押しでマップじゅうのポイントをかき集めるのは邪道だ、それでは山歩きに必要な知識が身に付かないじゃないか、という意見は自分自身に対して思うところではありますが、若さに任せてゴリ押しが出来るのもまた、OMM白馬の楽しみ方の一つと言えるのかもしれません。

ちなみに、自転車における「パワー」という概念に詳しい方向けに追記しておくと、地図読みのミスを走力でカバーして1位の得点を稼ぎだすのに必要なパワーは、「FTP250W以上・PWR4倍」以上あれば、問題ないはずです。

「長い距離、長い時間踏み続けられる力」ではなく、「休みを挟んで10分間だけハードに。これを何度も繰り返すことのできる力」が、OMM白馬には必要です。

4.地図読み

この点に関して、なんとなくの方向感覚と距離感覚で地図を読んでいる僕からいえることは特にありません。強いて言うなら、

「現在地を特定して動き出す前に、現在地が合っているかをダブルチェック。進行方向にある建造物や道の曲がり方を見て、地図と大きく違っていない場合のみGOサインを出す」ということぐらいでしょうか。

分岐とか曲がりとか、意味ないと思ってましたが、意外に使える情報だと気づきました。

地図読みに関しては、ヤマト運輸で三輪車で荷物の配達をしていた経験が、僕・寺尾共に生かされている部分はありそうです。自転車に乗るときは、普段から自分の感覚で進んだ距離と、実際に進んだ距離に大きな差が生まれないよう、ある程度の「絶対距離感」を養っておくことができれば、白馬でも大幅にロストすることはないでしょう。

5.補給

「最後に勝つのは無補給で走る強者ではなく、補給し続けた弱者だ。」とある選手の名言ですがご存じでしょうか。亀が兎に勝てたのは、兎が途中で寝たからではありません。亀が30分毎にmag-onとathletuneを補給し続けたからです。ちなみにこの名言はまさみち選手が今考えたものです。

補給で最も知っておくべきこととして「お腹がすいた、喉が渇いたと感じた時にはもう手遅れ」という考え方があります(これはホントですヨ)。水分やミネラル、カロリーが不足し始めても、身体はある程度の時間パフォーマンスを維持できてしまうため、パフォーマンスが落ちていると実感できた時には、すでに色々な要素が不足してからかなり時間が経過しているということですね。仮にこの段階から補給を始めたとしても、弱り始めた消化器官の吸収は遅く、脳も体の機能を回復しようと働くため、補給前と同じパフォーマンスでペダルを踏むことはまず不可能です。いわゆるハンガーノックというやつですね。

お店にあるのを全部買って持って行くだけ。たったそれだけのことがなぜ毎年できない。なぜだまさみち。

僕たちのチームで言えば、レースが始まってから30分ほどたったところで固形物を食べ始めます。もちろん腹が空いていなければ疲れてもないのですが、この補給が2時間、3時間後の調子を大きく左右します。この段階でまだジェルを入れないのは、消化器官が元気な前半は、固形物でも消化が可能であること、またジェルよりも腹持ちが良い為、ウォーミングアップしながらゆっくりとカロリーを捻出できること、といった理由からです。

水分は、クールダウンのためいつでも体にかけられるように、水だけ。30分に500mlのペースで飲み続け、レース開始1時間後からは、前の補給から30~45分毎に、必ずジェルなどでカロリーとミネラルを入れていきます。ジェルなんてかっこよく言ってますが、普通にウィダーとか速攻元気とかで大丈夫です。

CLAMPから出場の別チームは水浴びを楽しんでいた模様。めっちゃ気持ちよさそうですね。

今年は勝つことを目標に、コンビニでアイスを食べるのは一日一回、川遊びもせず渡渉も無言でしたが、補給とかどうでもよくて、スイカ割して塩ぶっかけたスイカが食いたかった。

あれ?誰にもすすめられてないのにフォルダにスイカの写真が。おかしいなあ。おかしいなあ…

6.バディとの連携

ナイスバディ!!レースが終わったときに手を取り合ってそう叫ぶことが出来るのが、どれほど幸せなことか(深い意味は含有しません)、僕たち Team Ultimate Romance は知っています。

グーかパーか、握手かハイタッチか、緊張の一瞬です。

そう言えるために一番大事なことは、「レース中は笑顔もイライラも本気でぶつけ合うこと」。普段は仲良くヘラヘラしている間柄でも、この日だけは、レースの数時間だけは別なのです。

「は?こっちに決まってんだろ」「止まれって言ったら止まれや」「地図読めねーなら黙ってろ」「ほんとにこっちで合ってんの」お構いなしです。とりあえず言いたいことは言います。言い方を考えず、言いたい放題ド直球とフルスイングだけの会話のキャッチボールをしましょうという訳ではありません。

伝え方はそれぞれのチームの数だけあると思いますが、大事なのは「どんなにハードな状況でも相手の感情を受け止め、自分の感情を受け止めてもらう」覚悟と信頼をスタートからゴールまで維持することです。そのためにも、バディとは日頃から色々な体験を共有できていると、それだけで他のチームより何歩もリードしていると言えるかもしれません。

7.総括

結局、OMM白馬で勝つには何が一番大事なのか、それは間違いなく「6.バディとの連携」です。脚力も、ギアも、補給も、最低限揃っていれば、周りと大きな差がつくことはありません。参加者を見回してみてください。血管浮き出まくりの、こんがり焼けたバキバキの脚が何百本目に入ることでしょう。毎年会場入りした後は、いい脚たちを見てビビり散らかしています。

いい脚たちに対抗して、前日にハサミで切ったEDWINのデニムで出場しました。これがチーム名の由来でもあります。

このCPを取るのに何分必要で、そこから次のCPまでは何分でいける、この道を下ったらすぐに上って次のCPを、最初の2時間で北のエリアは取り終わりそうだから、、、

ハードだからOMMなのか、OMMだからハードなのか、Team Ultimate Romanceになることが出来ればこのバカげた理想も地に足が着くとはおもわないか。

毎年同じような話し合いをした結果「これ無理じゃね?ほぼ全ポイント回ってるよ?」になりますが、大きな反論が出たことはお互いにありません。多少の無理な計画は、相手の力に頼れば乗り越えられるだろうと考えているからかもしれません。それが連携といえるかどうか?については疑問が残りますが、Team Ultimate Romance に限って言えば、限界を少し超える計画を、バディと切磋琢磨して乗り越え、レースを一夏のトレーニング日和にしてしまうことこそが、連携の要であるといえそうです。

どのポイントを取るかの話ではありません。右回りか左回りか、ただそれだけです。

汗だくで走り回り、川で水浴びをして、酒を飲んで寝る。これを大人の夏休みと言わずして、なんというでしょうか。子供の頃から変わらないことかもしれませんが、結局は、遊ぶ時間に一番動いて汗をかいたやつが、気持ちよく寝て優勝する、それだけの至極単純な話なのかもしれません。日中死ぬ気で遊んだ奴が問答無用で優勝です。

来年は、もっとナイスバディ達になった Team Ultimate Romance を白馬でご披露することをこの場を借りて宣言いたします。

真のナイスバディへの道のりはまだまだ遠い。

僕の拙い文章が、来年の皆さんの順位を、一つでも押し上げてくれる一助になることをお祈りしております。お付き合い頂き誠にありがとうございました!

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